皆さんは「耐寒性ゾーン」について知っていますか?
園芸をしていると耐寒性ゾーンという文字を目にする事があります。
概ね植物の耐寒性についてを表したものと推測できますが、未だに良く分かっておりません。
気になっている方のためにも簡単ではありますが情報をまとめてみました。
一緒に園芸の知識を高めていきましょう!
耐寒性ゾーンとは
ウィキペディアによれば「一定の平均年間最低気温を持つと定義される地理的領域」とありました。
難しい事が書かれていましたが、これは地域の10年間の平均最低気温を指標で表したもので、「摂氏5℃」とか「マイナス5℃」などの温度表記ではなく「ゾーン9b」などの独自の指標で表したものです。
日本では「耐寒性ゾーン」と呼ばれていますが、「Hardiness Zone(ハーディネスゾーン)」と呼ぶのが標準のようです。
目的
耐寒性ゾーンの目的は「造園」や「ガーデニング」の計画(プランニングなど)をしやすくするためのものと記載されていました。
気候の違う国や地域の植物を育てるので、当てずっぽうに植栽していたら寒さに負けてしまうという事が簡単に起きてしまいます。
このゾーン指標によって耐寒性を数値で示す事ができ、植栽計画が格段に立てやすくなりました。
よく植物の「耐寒性が弱い」などの曖昧な表記をされる事がありますが、Hardiness Zoneであれば植物がどの地域の寒さに耐えられるかデータで示す事が可能です。
これは園芸にも大きく関わる内容です。
開発した機関
この指標を作ったのはアメリカです。
米国農務省(USDA)と呼ばれている機関で、日本でいうところの農林水産省のようなものなので適当に定められたものではない事が分かります。
そして、この指標を地図に落とし込んだものが「耐寒性ゾーンマップ」です。
気温ごとに区分と色分けもされているので視覚的に分かりやすくなっています。
下記は実際に公開されているアメリカ政府の公式サイトです。
2023 USDA 植物耐寒性ゾーンマップ(※スマホでは地図が表示されません。)
もともとアメリカで生まれたものなので、公式サイトではアメリカのみのゾーンマップとなっていますいますが、非常に有能なため現在では世界中で使用されています。
日本のゾーンマップは下記のサイトに公開されておりました。
Plantmaps.com(チェックマークでON・OFFの切り替えが可能)
耐寒性ゾーン表
分かりづらくなるので本当は記載をしたくはなかったのですが、耐寒性ゾーン表を作成してみました。
温度(℃) | ゾーン | 備考 |
---|---|---|
-51.1 ~ -48.3 | 1a | 最強に寒い地域のゾーン たぶん北極とか |
-48.3 ~ -45.6 | 1b | |
-45.6 ~ -42.8 | 2a | |
-42.8 ~ -40 | 2b | |
-40 ~ -37.2 | 3a | 日本での一番気温の低いゾーン 北海道の一部など |
-37.2 ~ -34.4 | 3b | |
-34.4 ~ -31.7 | 4a | |
-31.7 ~ -28.9 | 4b | |
-28.9 ~ -26.1 | 5a | |
-26.1 ~ -23.3 | 5b | |
-23.3 ~ -20.6 | 6a | |
-20.6 ~ -17.8 | 6b | |
-17.8 ~ -15 | 7a | |
-15 ~ -12.2 | 7b | |
-12.2 ~ -9.4 | 8a | |
-9.4 ~ -6.7 | 8b | |
-6.7 ~ -3.9 | 9a | |
-3.9 ~ -1.1 | 9b | 東京郊外など |
-1.1 ~ 1.7 | 10a | 東京都心部など |
1.7 ~ 4.4 | 10b | 赤道に近い諸島など限定的なゾーン |
4.4 ~ 7.2 | 11a | |
7.2 ~ 10 | 11b | 沖縄などの温暖な地域のゾーン |
10 ~ 12.8 | 12a | |
12.8 ~ 15.6 | 12b | |
15.6 ~ 18.3 | 13a | |
18.3 ~ 21.1 | 13b |
こうして見ると「a」「b」のきざみがあるので凄く多く感じます。
さらには「◯.◯℃」みたいな中途半端な温度で表記されています。
これは何故かというと摂氏(℃)ではなく華氏(℉)基準だからです。
日本では使われている単位は「摂氏(℃)」ですが、アメリカで使われている単位は「華氏(℉)」となっています。
「1a」を華氏(℉)基準でみてみると「-60 ~ -50」と整数になっていました。
全てを暗記するにはかなりの記憶力が必要ですが、とりあえず日本の首都である東京基準で覚えてみましょう!
東京郊外で9b(-3.9 ~ -1.1)
東京都心部で10a(-1.1 ~ 1.7)
(※他サイトとの差異を確認しました)
幸いにも最低気温がプラスに転じるゾーンとなっておりますので覚えやすいです。
比較してみると各ゾーンの温度差はおおむね3℃となっています。
また、平均の気温であるため実際には最低気温を下回ったり、最近では気候変動も著しいので近い将来ゾーンが移り変わっていくかもしれません。
植物のゾーンデータ
「育てる地域のゾーンの把握」していても「その植物がどのゾーンの耐寒性に対応しているか」が分からないと意味をなしません。
肝心の自分が育てたい植物のゾーンデータはどこにあるかと思い調べてみましたが、公的な情報は限定的で全ての植物がデータ化されている訳では無いようです。
さらにフリーサイトで公開されているゾーンはサイトによって違いがあるようです。
つまり結局のところ目安に過ぎないということになります。
あとは植物に刺さっているラベルの裏にゾーンが記載されていることがあります。
ゾーンから「このくらいの耐寒性だと自分の地域では冬越しは難しいかな」みたいな事はできるかもしれません。
植物を育てるのであれば自分の地域がそのゾーンに属しているのかの把握くらいはしておいて損はなさそうです。
もしも下記の文字を見つけたら「耐寒性ゾーンを表しているんだな」と思ってください。
- ハーディネスゾーン(Hardiness Zone)
- USDA
- ゾーン1a~13b
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