カラテアの育て方と葉が傷む理由について 管理が難しいカラテアをうまく育てる方法の追求

育成日記
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カラテアはコレクターも多く大変人気のある園芸品種ですが、カラテアは育てるのが難しい植物でもあります。

よくある失敗としては葉先が傷んだり、丸まって枯れたようになってしまうなどです。

何故、葉が傷んでしまうのか分からずに困っている方も多いのではないでしょうか。

今回は葉が傷んでしまう理由や対策について考えてみました。

基本情報

カラテアの学名は「Calathea」となります。

園芸品種としてCalathea ●●~のようにさまざまな品種が出回っており、それぞれ葉の模様が個性的で比較的見分けやすいです。

カラテアの一部の品種では夜になると、葉の裏を見せるようにして葉の上にたてる事から「祈りの植物」とも呼ばれています。

このように葉を動かすことを休眠運動(nyctinasty)と呼びます。

できるだけ多くの光を吸収するために広い葉を持つものが多いです。

カラテア原種について

現代のカラテアは市場流通を目的に品種改良されたものとなりますが、熱帯雨林に自生する原種では葉が1mに達するほど遥かに大きく成長するようです。

一部の部族ではカラテアの根に薬効があると信じられています。

アマゾニア近郊のパラ州のベネヴィデス地方では、カラテアの葉を魚を包むために輸送材として使用されたり、村の家の屋根を作るためにも使われています。

また、タイではカラテアの葉を利用した米などの食品を保存する容器を作り、地元の人々と観光客に販売しています。

多くの種は、鑑賞植物として生産されていますが、南アメリカと中央アメリカに自生する原種は生息地破壊などにより、一部の種が徐々に絶命しているようです。

Goeppertiaについて

日本では「カラテア」として知られていますが、2012年頃に行われた遺伝的な調査によりそれまでカラテア属とされていたものが「Goeppertiaゴーペルシア」に改変されたようです。
(正直なところ読み方がわかりませんのでゲッペルシア?またはゲッペッルティア?かもしれません)

日本では情報が遅いためカラテアとして扱われていますが、厳密には「カラテア」ではなく「Goeppertia」となっている種もあることを知っておいたほうが良さそうです。

性質や育て方についてはカラテアと大差がないようです。

参考資料1:www.houseplant-homebody.com

参考資料2:houseplants.xyz

自生地について

カラテア属の植物は、中南米アマゾニアや西インド諸島の熱帯雨林で岩の隙間や木の根元などに自生しています。

自生地の気候

概要
ブラジル・アマゾナス州・マナウスの気候を調べてみました。

・夏は短く、暑く
・冬は長く、暖かく、湿度が高く
・年間を通じて蒸し暑く、本曇り
・1年を通して、気温は24℃~33℃の幅がある
・23℃未満または36℃を超えることは滅多にない

気温
温かい季節

・8月~11月までの約2.6ヶ月続く
・1日平均の最高気温は33℃を超える
・1年の最も暑い日は9月22日
・平均最高気温は33℃
・最低気温は25℃

涼しい季節
・12月22日~5月25日までの約5.1ヶ月続く
・1日当たりの平均最高気温は31℃未満
・1年で最も寒い月は7月
・平均最低気温は24℃
・最高気温は31℃


晴れの季節

・5月~9月までの約3.3ヶ月続く
・1年のうち最も晴れた月は7月
・55%の割合で快晴、晴、または一部曇り
・45%の割合で本曇りまたはほぼ曇り

曇りの季節
・9月から5月頃の約8.7ヶ月続く
・1年のうち最も曇った月は11月
・86%の割合で本曇りまたはほぼ曇り
・14%の割合で快晴、晴または一部曇り

降雨
雨季

・最も多い降雨量は、3月5日を中心とする31日間
・平均合計累積降雨量は252mm

乾燥期
・最も降雨量が少ないのは8月を中心とする期間
・平均合計累積降雨量は46mm

湿度
・湿度快適性レベルが蒸す、蒸し暑いまたは不快
・体感湿度レベルは年間を通してあまり変化せず、実質的に100%で一定

育て方

耐性温度

自生地の気候では23℃未満または36℃を超えることは滅多にない」とあります。

年間を通して、最高月間平均温度は30℃前後、最低月間平均温度約25℃前と非常に一定です。

暖かな温度であり、温度差のない環境を好むでしょう。

耐寒性
現生地では20℃を下回るような環境にならない事から、耐寒性は非常に低いと思われます。

おおむね20℃を下回るような環境では成長が緩やかになるでしょう。

12℃を下回るとカラテアに何らかの悪い影響があるとの情報もありました。

日本での冬場では暖かな温度を一定に保てる環境を整える必要があるでしょう。

耐暑性
現地では蒸すような暑さが通年続きますので、暑さには強いです。

日照

熱帯ジャングルの構造として、飛び抜けて高い樹林帯が超高木層(樹冠)、その下の層には高さ30~50mほどの樹冠が集まる上層部(林冠)、さらにその下の最下層(林床)の基本3層の分類されています。

カラテアの生息する環境は最下層では、低~中程度の太陽エネルギーの低い環境下です。

また、雲量については年間で曇りの季節が多い気候となっています。

以上の事から、日陰~半日陰を好む性質がある思われます。

直射日光を当てると、葉焼けや葉の色素抜けを起こしますので注意してください。

葉傷みの原因の一つとして日照レベルが高い場合があります。

水やり

自生地の環境では降雨最高月の平均合計累積降雨量は252mmとなっています。

降雨最低月の平均合計累積降雨量は46mmです。
(比較対象として東京では多い月で9月を中心とする31日間、平均合計累積降雨量は192mm)

毎月200mmを超すような降水量を予想していましたが、反して季節によっては降水量が少ないです。

土壌の湿り気は好みますが、受け皿などに水が溜まるほどの水分は好まないようです。

ここでお伝えしたいことは、「多湿 = 土の湿り気ではない」という事です。

多湿は好むが、常に用土が水浸しにならないようにしてください。

過度な水分が原因で葉傷みや根腐れにつながります。

植物の葉に黒い斑点がある場合は水をやりすぎているサインです。

また、寒くなる時期では乾かし気味に管理し、水やりの頻度を抑えてください。

葉傷みの意外な原因

カラテアの葉が黄色に変わっている場合は、水やりをしている水自体に問題があるのではないかとの情報がありました。

水道水に含まれる塩素が原因となっている場合があるようです。

カラテアは、水道水に含まれる塩素などの化学物質を分解することができず、その症状として葉が黒ずんでしまったり、丸まってしまったりしているのではないかとの事です。

正常に育てる方法として以下が紹介されていました。

・12〜24時間経った水道水を使用する
・蒸留水または雨水を使用する
・精製水を使用する


海外の資料を参考にしておりますので、日本では水道水に含まれる塩素が極端に高いとは思えませんが、お住まいの地域によっては影響している可能性はあります。

湿度(しつど)

「湿度快適性レベルが蒸す、蒸し暑いまたは不快」であり「体感湿度レベルは年間を通してあまり変化せず、実質的に100%で一定」とあるように高い湿度を好む植物です。

湿度を保つ手段

カラテアの自生地では常に高い湿度が一定である為、同等の湿度レベルにするのは難しいです。

湿度のある環境にするには、以下のような方法があります。

ビニール温室を利用する


・バスルームに置く


・鉢の周りに小石を置き、小石に水をまく
(石に水をまき、蒸発により湿度が高める)

・加湿器の使用

・湿度を好む別の植物体を近づけて管理
(温室効果による人工的な微気候を作る) 

・噴霧器(霧吹き)を使用する
噴霧器はこちらようなものをおすすめします。
(霧の粒子が細かいのが特徴です。)

※ただし霧吹きは周囲湿度を長くは保てない為、日に何度も多用する必要があります。

土壌

水はけが良い土が良いとされています。

水はけの悪い土壌では根腐れの原因になります。

害虫

●ハダニ
特に葉の裏を確認すると、細かく密集している事があります。

葉の裏にも噴霧をすることで予防ができます。

葉裏に湧くハダニ

● コナカイガラムシ
カイガラムシ葉表から栄養分を吸い込んでいますので、傷みます。

確認したら直接取り除きます。

対策として、土中に卵があるので、土の入れ替え(植え替え)をします。

● アブラムシ
こちらも葉に悪い影響がでますので、発生を確認したら早めに駆除します。

発生初期では直接駆除しますが、大量に発生した場合は薬剤で弱らせたのち、強めの水で吹き飛ばしてください。

品種一覧と栽培難易度 比較検証について

品種一覧や栽培難易度、模様が似ている品種の比較については情報量が多く、記事が見づらくなったのでこちらへ移動しました。

成長日記

2021

8/4 成長記録開始

対象品種は「メダリオン」です。

葉に傷みが出て、株が弱っている状態です。

元気よく育てられるのか検証開始です。

次の葉の準備はしている様子
葉先は丸く茶色いです。

管理して数週間で葉に傷みが出始めましたが、海外の参考資料によれば、葉が傷む理由は以下の理由とおりでした。

  • 湿度しつどが足りない
  • 土を乾燥
  • 土を湿らせ過ぎ
  • 照度が強い
  • 塩素によるもの

育てていた環境はエアコンの効いた少し明るい室内です。

一つの要因としてエアコンの効いた室内で管理をしていたので、湿度(しつど)が足らなかった事が想定されます。

9/1 湿度を高める検証

高温多湿を好むということですので、ビニールで覆って強制的な多湿空間を作ったらどうなるのか検証してみました。

葉が黒くなる原因が乾燥であるなら、こちらの方法で解消されるはずです。

9/8 変化が無いかチェックしてみる

変化がないか観察してみたところ、少しだけ変化がありました。

くるくるが1本増えてる!
くるくるさんがふた~っつ!
いぃーーねっ!

9/16 葉の数が増える

くるくるが成長し、ボリューム感が出た感じはあります。

葉の傷みは以前として進行しているように感じます。

新しく葉が展開している事から、とりあえずは成功しているようです。

葉の裏を確認するとハダニが発生していました。

ハダニなどの害虫が関係している可能性もあります。

2022

4/8 別個体検証開始

昨年の検証個体はそこそこ葉も更新が出来てはいましたが、気を抜いてしまった時に水を切らしてしまいました。ごめんなさい(^^;)

昨年の個体はビニールで覆って湿度しつどを高めた管理を行いましたが、今年は別種にてビニールありで育てた個体とビニールなしで育てた個体で比較検証してみます。

今回は熱がこもらないように、上部の開口部が大きめのビニール(PP)です。

検証品種は「ドッティー」。

ドッティーのような赤ライン系の品種は特に葉が傷みやすいように感じます。

管理方法は土が乾燥する前に灌水する事と霧吹きで葉面散布するといった事だけです。

昨年は葉裏に大量のハダニが発生したので、葉裏もまんべんなく霧吹きをかけました。

うまく回復してくれるのでしょうか。

4/21 多少の変化

傷みのあった葉は少し選定しましたので、株のボリュームは落ちました。

株元には新しい葉芽が出てきていました。

5/10 少しずつ良い方向へ成長

葉芽も成長してきています。

ただ、過去の傷んだ葉が目立ちます。

少しづつ更新してきているものの、そこが悔しいところです。

株元におなじみの肥料をふりかけました。

5/14 別個体を導入

ビニールあり・なしにおいて、両個体とも新しい葉が展開していることから、あまり「湿度しつど」については重きにおかなくても問題がないのではないかという疑問が生まれました。

カラテアの育て方ではどの記事でも「土を湿らせ過ぎてはいけない」との文言が目立ちますが、これに注目しすぎて、どちらかといえば「水切れ」による葉傷みが生じているような気がしてなりません。

ということで、こちらの個体については水切れの少ない底面給水を用いた管理方法にて同時進行で検証を行う事にしました。

本当に土の湿り気が苦手であれば枯れてしまう事でしょう。

ラベルには「ロゼオピクタ」の表記がありました。

古い土はすべて落としました。

水はけを考慮して用土は石の小粒単体です。

ただ、底面には水を溜めて管理しました。

5/23 葉の更新により美しく

あまりボリューム感が増していないのは、葉が更新する度に古い葉を剪定しているからです。

だいぶ傷みのある葉が少なくなってきました。

5/24 底面給水の個体も葉を更新

底面給水管理においても、成長の確認がとれます。

6/4 管理方法による葉の大き差?

ビニールあり・なしについて、多少の違いが出てきたように思います。

画像ではわかりづらくなってしましたが、ビニールありの方が葉の展開した数は多いですが、葉の大きさがこぢんまりとしているように思います。

逆にビニールなしの個体は葉の展開数は少ないものの、一枚一枚が大きく成長しているような気がします。

たまたまなのか、湿度が影響したのでしょうか。

一方、底面給水管理では少し新しい葉を展開させましたが、やや成長が遅いように感じます。

現状枯れるといった事はなさそうです。

7/22 再度比較

やはり、ビニールありで育てた方が葉が小さいです。

まとめ

・乾燥に弱く、高い湿度しつどが必要
・低温にかなり弱く、年間を通して最低10℃以上を保つ
・塩素の抜けた水を使う
・土は適度な湿らせ具合にする(乾き過ぎ×濡れすぎ×)
・害虫の被害に遭っていないか葉の裏を確認