フィロボルス レスルゲンスの育て方と成長記録

育成日記
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「レスルゲンス」は、流通の少ないメセン型コーデックスです。

流通の少なさから育て方などの情報が少ない品種でもあります。

私が実際に育てた成長記録を公開しますので、宜しければ参考にしてみてください。

基本情報

フィロボルスはおよそ38種類あるハマミズナ科に属する植物です。

ハマミズナ科は126属1100種の大きなグループで「メセン」や「マツバギク」なども含まれます。

学名は「Phyllobolus resurgens」となっており、和名では「天賜(てんし)」とも呼ばれております。

「1928年にドイツの植物学者「Martin Heinrich Gustav Schwantes」によって最初に記述されました。」とあります。

レスルゲンスの葉は細長く、葉表に塩分やミネラルを含んだ小さく透明な粒を幾つもつくります。

花はマツバギクのような黄白色の花を咲かせ、明るい時間帯に開花し、暗い時間帯は花を閉じます

主に南アフリカで北ケープ地区、西ケープ地区などの一部や石灰岩地帯に自生するとされております。

参考サイト1:http://redlist.sanbi.org
参考サイト2
https://en.hortipedia.com
参考サイト3:https://es.wikipedia.org

西ケープ(ケープタウン)の気候

面倒な方は育て方へジャンプしてください

※範囲が広い為、ケープタウンを中心とした時
・夏:暖かく、乾燥状態、ほぼ晴れ
・冬:長く、涼しく、湿度が高く、一部曇り
・1年を通すと9~25°Cの気温幅がある
・5°C 未満または29°C を超えることはほとんどない

暖かい季節

・12月~3月頃
・1年の最も暑い日は1月
・平均最高気温は25°C
・最低気温は17°C

涼しい季節

・5月~ 9月頃
・最も寒い月は7月
・平均最低気温は9°C
・最高気温は17°C

雲量

 晴れの季節

・11月~3月
・1年のうち最も晴れた月は2月

 曇りの季節

・3月~11月
・1年のうち最も曇った月は5月

降水量

・降雨量の多い季節は4月~9月で一番多い月は6月
・降雨量の少ない季節は9月~4月で一番多い月は2月
・最も降雨量が多い6月の平均合計累積降雨量は75mm
・最も降雨量の少ない2月の平均合計累積降雨量は10mm

湿度しつど

・年間を通して乾燥状態が多い
・一番乾燥する時期7月
・年間で不快レベルが一番高まる時期が2月で約9%

太陽

・最も短い月は 6月で、約10時間
・最も長い月は 12月で、約14 時間半

参考:Weather Spark,2021/8/27

育て方

耐性温度

耐寒性

現地では5℃前後となっておりますので、氷点下になるような置き場は避けたほうが良いでしょう。

耐暑性
耐暑性については現生地では30℃に達さないようですので、あまり強くないと思われます。

日照

明るいところを好みます。

春や秋のような気候では直射日光に良く当てたほうが良いでしょう。

夏の蒸し暑さには弱いので、30℃を超すような時期は涼しい場所へ移動したほうが良いでしょう。

水やり

現生地では降雨量が多い6月の平均合計累積降雨量は75mm、降雨量の少ない2月の平均合計累積降雨量は10mmとなっています。
(比較対象として東京では多い月で9月を中心とする31日間、平均合計累積降雨量は192mm)

年間を通しても、降水量は少ないようです。

よって、基本的には乾かし気味に育てたほうが良いでしょう。

季節(成長期・休眠期)によって水やりの量を加減する必要があります。

また、極端に降水が少ないと落葉して、塊根部のみになるようです。

茎だけになっても生存していけます。

落葉させる事で、かなりの乾燥に耐えることができるようです。

つまり、乾燥に強いということになります。

落葉すると土に擬態するほどやせ細るようですが、降水のある時期になると葉を展開させ、成長を開始します。

成長期

現生地での降雨量の多い6月の気温では約18~9℃の気温幅があります。

日本での18~9℃となる季節として秋や春が成長期となるでしょう。

水を切らすと葉垂れ現象が起きるので土が乾燥したらたっぷりと与えてください。

10℃をきるような環境では水やりを抑えた方が良いかもしれません。

現生地では5℃を下回るような気温にはならないようです。

5℃以下では寒さに耐えられなく場合があるので断水をしてください。

休眠期

現地での一番降水量の少ない2月の気温をみてみると、25~17℃となっています。

この時期の降水量は10mmと少ないので、日本の夏では極端な水やりを控えたほうが良いでしょう。

30℃を上回る場合は断水した方が良いです。

自生地での様子より乾燥により茎が縮み上がっても枯れることはないです。

日本の秋頃に成長期に入りますので、葉が展開してきたら水やりを再開してください。

土壌

自生地では砂礫など水はけのよい場所に生えていることから、サボテンが好むような水はけのよい土壌が良いでしょう。

湿度(しつど)

現地では30℃を超えるような気温はあまりなく、乾燥状態が続く気候のため高温多湿の環境を嫌うでしょう。

増殖

挿し木や種から増殖が可能です。

成長日記

2021

8/4 成長日記開始

最初は育て方を調べずに、イメージで育てて「コーデックス=日照」を好むという考えがあったので、午前中は日の当たる場所に置いていました。

その後、育て方を調べてみると通常は夏に落葉するようです。

撮影時は夏ですが、葉を展開させています。

これはどういうことでしょうか。

こちらの観察個体は春頃から管理しており、実は夏へ移行する前に一度落葉しています。

水やりの頻度が少なかったのか、何度も水切れを起こし、葉垂れがおきては潅水を繰り返すうちに落葉してしまいました。

その後、夏に入ってから再び葉を展開させ始めました。

夏に葉を展開させて理由について、これは憶測となりますがエアコンの効いた室内で管理していたからではないかと考えています。

温度設定は25℃で、秋や春頃と勘違いをして成長を開始してしまったのではないかと思われます。

育て方にもあったように、日本の夏は高温多湿の蒸し暑い気候であるため、レスルゲンスにとっては苦手な時期です。

レスルゲンスの場合、夏はエアコンの効いた涼しく、湿度の低い室内に取り込んだほうが調子が良いのかもしれません。

枯れた葉が茎にそのまま付着していたので、取り除くと鮫肌のようなカッコいい根茎が露呈しました。

個人的には芽吹きだし時や成長開始時がフィロボルスの魅力が引き立つのではないかと思います。

葉が茂っていた頃は、茎がよく見えず葉がうなだれて格好が悪かったのですが、こうやってむき出し状態をみるとかなり格好良い事がわかりました。

レスルゲンスを盆栽風に仕立ててしている方もおられるようです。

隅々までみてみないと、魅力はわかりません。

基部は成長段階か

8/25 少し葉が大きくなる

断水をしたら落葉してしまうかもしれません。

落葉を初めた頃に秋の成長期に入ってしまいますので、中途半端になるよりも成長を続けているので、断水はせずにそのまま土が乾いたら水やりを続けています。

本来であれば休眠期にあたると思いますが、日中常にエアコンの協力を得られるのであれば、夏でも楽しめるようです。

エアコンが効いてるから良いと思い、つい霧吹きをしてしまいましたが、高温多湿になってしまうので夏は控えた方が良いかもしれません。

これは私がやってたまたま出来たことですので、皆さんは水やりの部分は十分注意を払ってください。

9/8 更に成長

少しづつ成長を続けています。

9月上旬の割には気温が低く、涼しいような感じがあります。

ミネラルを蓄えている

粒が目立つようになってきました。

直射に当てていると、葉が垂れている時があります。

水やりの度合いはまだ分からない部分が多いです。

9/14 約1週間後

特段変化なし

2022

1/11 開花

久しぶりの撮影となりますが、少々荒々しく成長しましたが、ボリューム感が増し、開花が見られました。

白~クリーム色のたくさんの切込みの入った花弁です。

3/19 植え替え

余っていた鉢に植え替えました。

なかなか風格のあるものに仕上がりました。

まとめ

  • 極端な寒さと夏のうだるような暑さに弱い(冬は暖かく、夏は涼しい場所へ)
  • 高温多湿に弱い
  • 春や秋などの涼しい時期に水やりを回数を増やす
  • 乾燥に強いが水切れで葉垂れを起こす
  • 日の当たる明るい環境を好む

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