アロエ・ラモシシマはつるりとした幹が特徴の多肉植物です。
jibunが実際に育ててみて、分かったことなどを成長日記形式で公開したいと思います。
参考にしていただけたら幸いです。
基本情報
学名:Aloe ramosissimum
ツルボラン科 ツルボラン亜科 アロエ属
下葉が枯れ落ちるとスベスベとした幹が形成されてきます。
よく似た品種名で「ディコトマ」という品種があります。
ラモシシマとディコトマとの違いについては「古い呼び名」や「成長の仕方が違う」など諸説あるようですが、一番有効な説としてラモシッシマの方が若い株から分枝しやすく、ディコトマは太い幹を形成し、ある程度成長してから枝分かれするとの情報がありました。
情報が確かかどうかは分かりませんが比較してみるとそのように感じます。
自生地
南アフリカの北ケープ州とナミビア南部の国境付近に種の発生が見立つようです。
参考資料:www.inaturalist
自生地の気候
面倒な方は育て方へジャンプしてください
国境付近で一番近しい地域の気候データである、南アフリカ「Alexander Bay」の気候を引用しました。
【概要】
夏は長く、快適で、乾燥状態、快晴、冬は涼しく、乾燥状態、風が強く、ほぼ晴れ1年を通して、気温は10℃~24℃の幅がある7℃未満または29℃を超えることは滅多にない
【気温】
温かい季節
12月22日~4月20日までの約4.0ヶ月続く1日平均の最高気温は23℃を超えるAlexanderBayAirportにおける1年の最も暑い月は2月で、平均最高気温は24℃、最低気温は16℃
涼しい季節
7月1日~10月1日までの約3.0ヶ月続く1日当たりの平均最高気温は21℃未満1年の最も寒い月は8月で、平均最低気温は10℃、最高気温は20℃
【雲】
晴れの季節
11月21日~4月7日までの約4.5ヶ月続く
1年の最も晴れが多い月は2月であり、平均すると93%の確率で、快晴、ほぼ晴れ、または一部曇り
曇りの季節
1年のうちより曇天が多い季節は4月7日頃始まり、11月21日頃に終わるまでの約7.5ヶ月続く
AlexanderBayAirportにおける1年の最も曇りが多い月は9月であり、平均すると24%の確率で、本曇りまたはほぼ曇り
【降雨】
降雨量はあまり変化がなく、2ミリメートル~3ミリメートルの範囲内に収まります。
【湿度】
蒸す、蒸し暑いまたは不快の割合で測定する体感湿度レベルは、年間を通してあまり変化せず、2%の範囲に収まります。
参考資料:ja.weatherspark
育て方
【温度耐性】
耐寒性
原生地の気候を確認すると6℃を下回る事はないので、寒さにあまり強くないと思われます。
10℃を下回るような季節では室内に取り込んだほうが無難です。
耐暑性
原生地付近の最高温度は29℃までとなっているようですので、耐暑性もあまり強くない事が考えられます。
夏の高温期は涼しい場所へ移動した方が良さそうです。
【日照】
発生地の情報によれば地面の露出した平地や山岳地帯が目立ちます。
日当たりを好む種と言えるので、なるべく日当たりの良い場所で育てたほうが良いです。
直射日光に当てて育てても問題なく育つとは思いますが、多少の葉焼けや葉傷みが生じるので、青々としたアロエに育てるには遮光等をした環境をつくる必要があります。
【水やり】
自生地の降雨量の多い時期を調べることで、成長期をおおまか予測することができます。
(比較対象として東京では多い月で9月を中心とする31日間、平均合計累積降雨量は192mm)
原生地の降雨量は2〜3mm程度となっており、年間を通して非常に降雨量の低い地域となっています。
このことから、本種は乾燥に非常に強い性質を持つことがわかります。
基本的には乾燥気味に育てることになると思います。
成長期
気候を日本に置き換えた場合、成長期は日中の気温が23℃前後、最低気温が10℃となる春か秋頃と言えるでしょう。
日によっては15mm程度を超える雨量の日があるようなので、水量を控えた少量の水やりをこまめに与えると良いでしょう。
休眠期
気候を日本に置き換えた場合、休眠期は成長期は日中の気温が23.5℃を超える時期、最低気温が10℃を下回る時期となるでしょう。
原生地では年間を通して、気温が一定で、降雨量も変動がなく低いため、原生地と異なる季節では乾燥を強めた管理方法にした方が良いと思われます。
【湿度しつど】
年間を通して湿度が低く乾燥状態が続くため、湿度の低い環境を保ってください。
屋外の風通しの良い環境で育てるのが好ましいですが、室内で育てる場合は、湿気がこもらないよう、マメな換気や専用機器で空気の循環を作る必要があります。
扇風機とはまた違った機能をもっています。
【土壌】
特に水はけの良い土質を好みます。
保水する培養土などは使用を避けた方が良いです。
育成日記
2022
4/23 育成日記開始
こちらの個体を育てていきたいと思います。
乾燥には非常に強い品種で、基本的に水やりを控えた管理にする方が良いようですが、少量の水をこまめに与えて、なるべく早く成長させたいと思います。
アロエに関しては以前の記事でもご紹介したとおり、枯らしてしまった事があるので、水管理には特に気をつけたいです。
実は高温にも弱いようなので、夏は空調の効かせた涼しい室内管理で育てていきます。
現状で下葉のない部分もあり、既に幹が形成されています。
しかし、この状態では頭が重く、しかも容器は育苗ポットで土の容量もあまりないので簡単に転倒しそうな状態です。
転倒防止を考慮して重みのある陶器鉢に植え替えることにしました。
ポットから取り出し、土を崩してみると根はほとんど乾燥して機能していないようです。
この状態でも生存しているので、情報どおり乾燥に強いという事がうかがえます。
軽く引っ張って、簡単にとれるものは除去しました。
植え替え後の様子です。
鉢の重みで安定感がとれました。
管理場所ですが、アロエは明るい場所を好むようなので、午前中はずっと直射日光のあたる場所で管理してみます。
8/30 成長と葉焼け跡
現在は8月ですが、夏の日差しが強い時期に半日さらしたため、葉焼けが起きてしまいました。
多少、葉焼けを起こしましたが、新しく展開した葉は調子が良く、棘が密に生え、荒々しい感じに成長しています。
また、当初よりも水分を含んでムッチリとした感じに成長しています。
葉焼けした部分は、どちらにしろ後々落ちるものと考えて、このまま直射日光下で育てていきたいと思います。
日照不足で細い幹になってしまうよりかは葉焼けしてでもしっかりとした幹になる方を選択しました。
2023
6/8 その後の状態
年を越し、少しずつではありますが、株のボリュームも増してきました。
適用したのか新しい葉からは葉焼けは起こしておりません。
幹もだいぶ綺麗に形成されてきていますが、残念な事にカイガラムシの出現です。
ここで例の方法で撃退を試みます。
作戦どおり、見事にカイガラムシの撃退成功しました。
しかし、数ヶ月後には、またカイガラムシは姿を表す事でしょう・・・。
原生地のアロエの写真を見たことがあるのですが、葉にカイガラムシのような害虫がたくさんついていたような記憶があります。
害虫が付着している事は、実は自然な事なのでしょうか?・・・。
しかし、害虫が付着することで成長を阻害することは間違いないです。
2024
1/16 脱皮の様子
前回の撮影から半年以上経過した様子です。
幹をご覧ください。
脱皮後は幹が非常にすっきりとし、再びスベスベの幹となりました。
このようにラモシシマは脱皮を繰り返して成長をしていくようです。
ここで、記録開始時からどのくらい成長したか比較してみます。
ラモシシマあまり変化がないので、ついつい撮影をしぶってしまいます。
育て方にもよりますが1年9ヶ月くらいで、この程度ですので成長が遅い事には変わりはありませんが、比較してみると少しずつ成長していると実感できました。
時間はかかりますが、今後も成長観察を続けていきたいと思います。
まとめ
- 風通しと日当たりの良い環境を好む
- 乾燥には強い耐性がある
- 多湿に弱い
- 風通しが悪いとカイガラムシが発生する
- 5℃以下の低温を避ける
- 30℃以上の高温に弱い
- 幹は脱皮する
- 成長が遅い
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