ムシトリスミレの成長記録 室内での育て方と大きく育てる方法やコバエ(虫)を捉える様子など(スマイリングビューティー)

育成日記
この記事は約23分で読めます。

スマイリングビューティーの特徴

ムシトリスミレが大きくならないという話も聞きますが、本種はムシトリスミレの中でも葉と花が大きいのが特徴です。

また、たくさんの花を咲かせる特徴があり、やや暗めの環境でも花を咲かせてくれます。

もう一つの特徴は成長が早さです。

暖かな環境であれば日に日に葉が大きくなっていくのが感じ取れます。

耐寒性についてはムシトリスミレの品種によって性質が異なりますが、本種は他の品種と比べて寒さに強いので、室内であれば容易に越冬が可能です。

掛け合わせ品種について

掛け合わせの表記は親切。

ラベルには「pinguicula Smilling Buauty(mactezumae×colomensis)」と記載がありました。

学名の「pinguicula(ピンギキュラまたはピングイキュラ)」は「ムシトリスミレ属」の事を指しているようです。

それぞれの掛け合わせ種についても調べてみました。

Pinguicula moctezumae(モクテズマエ)
メキシコの険しい峡谷に生息しており、花は濃いピンクの大輪で葉は細長いのが特徴です。
温帯高山性で成長していくと多花性になる性質です。

Pinguicula colomensis(コロメンシス)
メキシコの固有種で、同じくビビット系等のピンクの花と葉をロゼット状に形成する特殊な品種。
岩に着生して、過酷な環境にも耐える品種。
種類は温帯高山性。

両種の特性から、「スマイリングビューティー」は比較的育てやすく、丈夫な品種であると言えそうです。

明るさについて

ラベルによれば直射日光を好むと記載されているため、なるべく明るい環境を作ってあげる必要がありそうです。

ただし、明るい日照は好みますが夏の直射は苦手とあります。

これからの時期は強い日差しが続きそうですので、ひとまず育成補助ライトを使用する事にしました。

いい感じに引き締まってきた
照射!
早速コバエが!!
消灯時
点灯時…おしゃれな模様が浮る

USB端子より電源供給して光を照射できるタイプの育成ライトです。

近くにパソコンがあったので、USB端子より簡単に照射ができました。

強い光がが苦手な植物もいるので、その場合はこういった補助ライトなどで育てる事ができます。

特にキッチンなど明るさが足らない場所で管理するには、このような育成ライトを使用する事で生育不良を回避できます。

暗い環境で育てていた場合は葉が間延びして、株が貧弱になってしまいますので、なるべく明るい環境を作ってあげて株を引き締めてください。

腰水について

ムシトリスミレなど多くの食虫植物は土の乾燥に弱いので受け皿などに水を張り、鉢ごと水につける手法(腰水)をお勧めします。

こうすることで、水切れを起こす心配を軽減する事ができます。

ただし、本種は根が浅張りなので用土から取れやすいです。

水分が多いと用土の腐敗が進行が早くなります。

その結果、根張りが悪くなり、根が土から取れやすくなってしまうので注意が必要です。

もし、鉢から根が取れてしまってもスマイリングビューティーは強健ですので枯れません。

新鮮な水苔などの上に置いておけば、自然と活着します。

また腰水をする場合は、清潔さを保つ為に水をこまめに交換してください。

多くの場合、雑菌の繁殖により株傷みが生じているようです。

葉水の重要性

葉水した直後
著しい成長

ムシトリスミレは葉水(霧吹き)をすると調子が良いです。

霧吹きの際は普通の水ではなく活力剤などの微量要素を含む水で葉水を行ってください。

食虫植物は葉から水分や養分を効率よく吸収できるように進化したので、イキイキと育てるにはかなり有効です。

また最近の噴霧器は進化しており、どうせなら良いものを使用する事をおすすめします。
最近の霧吹きについての傾向はこちらの記事をご覧ください。

花について

あっという間に花芽へ
大きい花です。

容易に花を咲かせてくれました。

計測・・・直径約4cm!

直径約4cmといったところでしょうか。

見事に美しい花です。

ゴーン

成長日記

その後の成長を記録してみました。

2021

6/19 とある変化

気温が高くなるにつれ、葉の長さが変化してきました。

冬の寒い時期は葉が短いですが、暑い時期では葉が長くなるようです。

長さを計測すると約9cmありました。

新たな発根を確認

新しい根が出てきています。

以前にもお伝えしたとおり、スマイリングビューティーは根が浅張りで土からちぎれやすいです。

優しく扱わないと根から取れてしまう場合があります。

3匹も!チミは偉い!

しっかりと小バエを捕獲してくれているようです。

花はどこへ向かうのか

花あがりは上々ですが、咲く方向がバラバラになってしまいました。

6/21 奇形の花をつける

おいおい!双子か?

奇形なのか蕾がつながった状態で形成されています。

散るときも一緒よ♪

面白い咲き方を披露してくれました。

7/8 水切れを起こす

すっかり元気を失ったムシトリスミレ

腰水で水切れすることは無いと安心していたところ、いつの間にか水位が鉢よりも下がっていて、葉がうなだれてしまいました。

急いで水やりを行いましたが、傷んだ葉は元には戻りませんでした。(やはり油断は禁物ですね。)

腰水などの底面給水で育てた場合は、水切れ耐性が弱くなるようです。

水切れを起こしたものの、花芽をしっかりと付けていました。

7/14 切り戻しを行う

茶色く傷んだ葉を残しておくと他に移って株自体が腐る場合があるので、思い切って刈り込みました。

その結果、かなりボリュームが無くなってしまいました。

水苔は古くなっているようです。

根が取れる現象は水苔が古くなった場合に起きるようですので、予防として早めに新しい用土に取り替える事をおすすめします。

8/5 少し成長

葉の枚数が増えた
コバエも捉えています

少しずつコンディションが戻ったように感じます。

花は色がつき始めておりますので、近々鮮やかな花を咲かせてくれることでしょう。

食虫植物でもムシトリスミレはきれいな花も楽しめるのが良いところです。

9/8 調子を取り戻す

良くなっている!

見てください!

株の形も整い調子が良さそうです。

もしも、トラブルなく順調に育ってくれたのなら、どこまで大きくなるのでしょうか。

9/16 新たな花芽の形成

前回の花は散り、早くも新たな花芽を形成していました。

このように、次々と花を咲かせてくれるのもスマイリング・ビューティーの大きな特徴です。

9/30 葉焼けと驚きの出来事

葉が大変な事に・・・
油断って本当に大敵ですね

秋に近づき、ここでも油断が出てしまいました。

暑い時期も落ち着いてきたので、直射日光の当たる場所へ移動したところ「葉焼け」を起こしてしまいました。

基本は直射を好む品種のようですが、急に環境を変えたために起こったものと思われます。

ですが、よく観察すると新しく形成された葉(中央部)の方が、より肉厚で引き締まった葉になっているように感じます。

葉焼けは起こすかもしれませんが、葉を短く、引き締まったように育てる場合は直射の方が良いかもしれません。

ただ、引き締まった株を維持したい場合には、直射に当てた環境を継続する必要があります。

スマイリングビューティーは成長が早いので、日照の低い環境に戻した場合、すぐに形が崩れてしまうからです。

また直射日光により、腰水の水がぬるま湯のように熱くなっていたので、雑菌が繁殖しないようマメな水の交換も必要そうです。

花は非常にキレイ
驚きの出来事
なん・・だと?
でも可愛い!

観察していた株とは別の株ですが、ピンクの花を付けました。

基本的にビビットカラーなピンク色の花ですが、こちらの個体は淡いピンク色でした。

これはレア個体なのでしょうか?

しっかり記載があり

優しい花色をしていて、実に可愛いらしいです。

栄養不足か咲き始めの特徴なのか、2番花は小輪でした。

今後は「ピンク株」と命名し、大切に育ててみようと思います。

10/26 調子が戻る

良い感じ
発根も順調です。

かなり調子が戻ってました。

これまで色々と問題は発生しましたが、それでも枯れてしまうことは無く、改めて強健な種であると実感します。

形が崩れしやすいが回復も早いとも言えます。

11/11 コバエを捉える様子

ものすごい分泌量
羽虫は逃げられるわけがない

本当に調子が上がったムシトリスミレは粘液量が違います。

まるでモウセンゴケです。

今まで管理していて、ここまで目に見えるほどの分泌量は初めてです。

11/17 ピンク株の管理方法

冬になり、日照も少ない環境なので「ピンク株」の成長具合が気になってきました。

そこで、再び補助ライトの力を借りる事にしました。

12/10 充実したボリューム感

すんげぇ~

申し分無い程に株が充実してきました。

真冬ではありますが、暖かい室内ではコバエが湧いてきますが、活躍してくれているようです。(こんなにコバエ飛び回ってたのかよ;)

腰水状態で、半日直射のあたる窓際に置いておけば、コバエ捕獲を難なくやってくれました。

2022

1/12 ピンク株の根がとれる

ピンク株は取れてしまった
悪い状態の古い水苔

気に入っていたピンク株ですが、少し触れると根が取れてしまいました。

水苔が古くなっていた為、根が腐ってしまったようです。

ただ、こうなってしまっても強健な品種の為、問題はないと考えています。

底穴のないガラス容器
器よりも高く盛って、乗せただけ

余っていた容器に新しい水苔を盛って、その上に乗せました。

思っていたとおり水苔が古くなると悪い影響があるようです。

早い段階で新しい水苔に変えた方が良さそうです。

2/16 花芽を確認(ピンク株)

新しい水苔に変えたところ花芽が出来ました。

2/28 花芽の成長(ピンク株)

ピンク株

花茎が伸びて、開花の準備を進めているようです。

気になるのは、またピンク色で咲いてくれるかという事です。

昨年は何かの偶然ピンク色だっただけの可能性もあります。

最初の株

一方、最初の株の方も順調です。

3/3 開花(ピンク株)

花色は昨年同様ピンク色を確認。

その時だけ違う色が咲いたという事ではなさそうです。

また、通常のスマイリングビューティよりも少しだけ開花が遅く感じます。

3/8 ピンク株の花の大きさ

花の大きさを計測してみると、約1.7cm程度です。

花の大きさに関しても、通常種よりも小さいようです。

3/17 株分け

通常株も株が大きくなり、子株が成長して複数の株が重なっているので、株分けをすることにしました。

3株へ分ける事ができました。

大きさに合った鉢を選びます。

なんとか株分けに成功しました。

株が増えて嬉しく思います。

このまま順調に増えてくれる事を期待。

ピンク株を良くみてみると、二頭ある事に気づきました。

成功すれば増殖する事が出来ます。

ジブン

もうすぐ株分け出来そうだね。

クソッ!

ピンク株の株分けを試みたところ、1株が散り散りになってしまいました。(泣)

通常株の方は力を入れなくても簡単に解けましたが、焦って早く行った報いです・・・。

ジブン

株分けは大きくなってからが良いね

4/12 開花その2(ピンク株)

無理がたたり、一株になってしまいましたが順調に成長中です。

夏の直射を避ければ直射日光を好むということで、ピンク株も直射日光に当てて管理していきます。

心なしか赤みが強いような・・・

使用した器▼

食虫植物専用用土

まとめ

・水を切らさないように管理する
・対策として腰水が有効
・葉水をする(できれば活力剤を使用)
・日照を好む(夏の直射日光は控える)
・水苔は古くなる前に交換

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