ロホホラはつるりとした多肉体に綿毛を生やす不思議で可愛らしいサボテンの仲間です。
ロホホラの種類は幾つかありますが、今回は「烏羽玉(ウバタマ)」という品種について調べてみました。
育て方や成長の過程などを記録したので参考にしていただけたら幸いです。
栽培難易度について
ロホホラは放置していても今の所枯らしたことは無いので栽培は容易であると思います。
私の育てている育成環境は室内ですが、室内で育てていても問題なく育っているので、インテリアプランツとしておすすめできる植物といえます。
初心者の方でもポイントだけおさえれば容易に育てられるのではないでしょうか。
呼び名について
烏羽玉の学名は「Lophophora williamsii」となっています。
和名は「烏羽玉」で別名「ペヨーテ」とも呼ばれています。
呼び名が様々あって分かりにくいですが「烏羽玉」=「ウィリアムシー」=「ペヨーテ」ということになります。
育て方の調べ方について
育て方はその植物の自生している環境を調べる事が大きなヒントになります。
本種自生地について調べると「北米大陸南西部の乾燥した草原に分布する」とありました。
「乾燥した」とあるように、ロホホラは乾燥に強い生態であることが想定できます。
土が湿った状態が続くことは通常ではあまりないことですので、基本的には「乾燥気味に育てる」という事になると思います。
自生地の気候と生態について
本種の自生地の気温は非常に高くなることがあり、その気温は50℃にも達するようです。
よって本種は高温に耐える事ができる品種であると考えられます。
自生地では雨季と乾燥期がはっきとしており、雨季は短いので、この短い期間に水を多く溜め込み、乾燥期にこの溜め込んだ水分で生きながらえる性質があるようです。
乾燥期は一切土に湿り気がなく、この時期のロホホラは地表から見えなくなるほど極限まで本体が縮みます。
そのような状態になっても枯れることはなく、蓄えた水を使いながら生きながらえるようですので、かなりの耐乾性を有している事になります。
そして、自生地での雨季は38℃を超える高温時期です。
日本での季節に置き換えてみると「夏」となり、夏が成長期にあたりますので、水を与えるなら夏ということになります。
ただし、夏でも育成環境が室内であり、エアコンなど涼しい環境であれば、たくさんの水やりは控えた方が良いでしょう。
高温期以外は、乾燥状態を維持した方が無難です。
参考資料:フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)ロフォフォラ
自生地は主に北米大陸メキシコを指しますが、メキシコは広いので自生目撃情報の多い、平均ニ地域に絞り、気候をサンプリングしてみました。
面倒な方は育て方へジャンプできます
コアウイラ州Parras de la Fuenteの気候
【概要】
・夏は長く、暑く、冬は短く、涼しく、乾燥状態
・年間を通じて一部曇り
・1年を通して、気温は6℃~32℃の幅がある
・1℃未満または35℃を超えることは滅多にない
【気温】
温かい季節
・4月~9月までの約4.4ヶ月続く
・1日平均の最高気温は29℃を超える
・1年の最も暑い月は6月
・平均最高気温は32℃、最低気温は19℃
涼しい季節
・11月~2月までの約2.4ヶ月続く
・1日当たりの平均最高気温は22℃未満
・1年の最も寒い月は1月
・平均最低気温は6℃、最高気温は19℃
【雲】
晴れの季節
・1年を通した晴の部分は4月~6月までの約2.3ヶ月続く
・1年の最も晴れが多い月は5月
・平均すると72%の確率で、快晴、ほぼ晴れ、または一部曇り
曇りの季節
・1年のうちより曇天が多い季節は6月~4月頃までの約9.7ヶ月続く
・1年の最も曇りが多い月は8月
・平均すると52%の確率で本曇りまたはほぼ曇り
【降雨】
雨季
・1年のうち4月~11月までの約の6.3ヶ月続く
・スライド31日間の降雨量は少なくとも13mm
・最も降雨の多い月は9月
・平均降雨量は48ミリメートル
乾燥期
・最も降雨量が少ない期間は、11月~4月までの約の5.7ヶ月
・最も降雨の少ない月は12月
・平均降雨量は6ミリメートル
【湿度(しつど)】
年間を通してあまり変化せず、2%の範囲
サン・ルイス・ポトシ州Escalerillasの気候
【概要】
・夏は短く、暖かい
・冬は短く、寒い
・年間を通じて乾燥状態、一部曇り
・1年を通して、気温は4℃~27℃の幅がある
・-1℃未満または31℃を超えることは滅多にない
【気温】
温かい季節
・4月~6月までの約2.3ヶ月続く
・1日平均の最高気温は26℃を超える
・1年の最も暑い月は5月
・平均最高気温は27℃、最低気温は12℃
涼しい季節
・11月~2月までの約の約2.2ヶ月続く
・1日当たりの平均最高気温は21℃未満
・1年の最も寒い月は1月
・平均最低気温は4℃、最高気温は19℃
【雲】
晴れの季節
・1年を通した晴の部分は、10月~6月までの約7.7ヶ月続く
・1年の最も晴れが多い月は5月
・平均65%の確率で、快晴、ほぼ晴れ、または一部曇り
曇りの季節
・1年のうちより曇天が多い季節は6月~10月までの約4.3ヶ月続く
・1年の最も曇りが多い月は9月
・平均すると74%の確率で、本曇りまたはほぼ曇り
【降雨】
雨季
・1年のうち、雨季は4月~11月までの約の約の6.3ヶ月続く
・スライド31日間の降雨量は少なくとも13mm
・最も降雨の多い月は7月
・平均降雨量は87ミリメートル
乾燥期
・1年間の最も降雨量が少ない期間は11月~4月までの約の5.7ヶ月
・最も降雨の少ない月は12月
・平均降雨量は5ミリメートル
【湿度(しつど)】
年間を通してあまり変化せず、実質的に0%で一定
育て方
【温度耐性】
Parras de la Fuenteの気候をみてみると「1℃未満または35℃を超えることは滅多にない」となっており、Escalerillasの気温では「-1℃未満または31℃を超えることは滅多にない」となっておりました。
耐寒性
データより0℃程度までの低温なら十分耐えうる品種といえますが、5℃程度までの温度はキープした方が無難かもしれません。
耐暑性
ウィキペディアによれば、50℃ほどの高温地帯という説明はありましたが、自生地情報の多い地帯の気温は思いのほか、そこまでの高温となっていないようです。
砂漠の極地では50℃程度までの高温となるのかもしれませんが、植物としては35℃程度までの温度までにしておいた方が成長しやすい環境なのかもしれません。
【日照】
Parras de la FuenteとEscalerillasの平均の晴れの日においては差がでました。
自生地では灌木の下などに発生する事が多いため、一日中日直射が当たる状態よりも、多少日陰のある明るい環境を好む事が想定されます。
【水やり】
自生地の降雨量の多い時期を調べることで、成長期をおおまか予測することができます。
(比較対象として東京では多い月で9月を中心とする31日間、平均合計累積降雨量は192mm)
Parras de la Fuenteの最も降雨の多い9月の平均降雨量は48mmで、平均最高気温は約30℃。
最も降雨の少ない月は12月、平均降雨量は6ミリメートルでとなっています。
日中の温度は19℃であるのに対して、早朝は7℃になります。
Escalerillasの平均降雨量は87mmで、平均最高気温は約23℃。
最も降雨の少ない月は12月で、平均降雨量は5ミリメートルとなっております。
日中の温度は19℃であるのに対して、早朝は4℃になります。
成長期
気候を日本に置き換えた場合、成長期は23~30℃となる初夏~初秋までの時期が成長期となるため、この時期は少なからず水やりを行う必要があります。
休眠期(落葉期)
気候を日本に置き換えた場合、休眠期は最低平均気温が7℃~4℃となる晩秋~春時期となります。
この頃はほぼ断水といえるほどの調整が必要です。
【湿度(しつど)】
原生地においては湿度が極端に低い地域となりますので、湿度の高い環境は嫌う性質があります。
【土壌】
自生地では石灰岩の近くや丘の上などに発生するようです。
基本的には乾燥しやすい砂質の用土が栽培に向きます。
【その他補足】
アルカロイドを含む植物であり、これは生で食すと幻覚作用をもたらす一種の精神薬として用いる事もあるようです。
非常に苦味があり、嘔吐を引き起こすほどとの情報があります。
成長記録
2021
8/4 成長記録開始
水やりは土には与えず、活力剤で霧吹きで葉水を毎日しています。
(最近の噴霧器の傾向についてはこちらの記事より)
他サイトなどでは株に水はかけず、土だけにかけるとの記載がありました。
理由は水によって綿毛が縮まってしまう為です。
ただ、株が小さいうちはそこまで気にしなくても良いのかなと考えています。
よく見ると縦に伸びるように成長しています。
日照不足の環境下でに水分を与えた事により、徒長してしまいました。
管理をして感じた事は、他の植物と比べて「成長がかなり遅い」と感じました。
上部は青々としたシワでうまく成長しているのがわかりますが、下部はシワが寄っています。
9/9 深植えにしてみる
縦に成長して少し格好が悪いので、地中に埋める作戦にしてみました。
赤玉の小粒単用土で植えましたが、排水性を高いので腐ってしまうことはないと思います。
9/29 ほぼ変化なし
綿毛が少し成長したようですが、あまり変化はありません。
成長が著しく遅いです。
焦らずじゅんぐり愛でるのには良い品種かなとは思います。
変化がないと変化を求めて水を与えてしまいそうですが、涼しい時期は我慢した方が良いと思います。
12/1 その後の様子
未だに変化がありません。
2022
4/12 成長を促す本格的な管理開始
年をまたいで成長を見てきましたが、ほとんど変化がみられませんでした。
そこで今年は照度、水量の調整による成長の促し検証を行おうと思います。
検証は下記のとおりです。
- 朝から昼まで直射日光の当たる環境へ移動
- 土の全体白くなったら、少量の水やりをこまめに行う(根腐れしないギリギリのラインで)
成長をしないロホホラを早く成長させる事ができるかという検証だけど、失敗する可能性もあるよね。
【訪問者のコメント欄】
コメント書き直しになります。_(._.)_
「烏羽玉の栽培 35年以上になります。実生が5位かな あわせて大小30位
他のサボテン50位半世紀なります。 いまだに成長のコツが分からないのです。だから飽きが来ない。」
ベテランの方でもコツがわかりにくい非常に厄介な・・・だから面白い植物なんですね。
勉強になります~
「 他のサボテン50位半世紀なります。 いまだに成長のコツが分からないのです。だから飽きが来ない。」