まだまだ情報の少ないフィロボルスの育て方についてです。
以前、レスルゲンスについても調べましたが、自生地は似たような地域なので、育て方についてもそう変わりはないと考えています。
本種においても実際に育ててみましたので、参考にしていただければ幸いです。
基本情報
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学名は「Phyllobolus sp.Sutherland」です。
メセン型コーデックスという日本では珍しい植物です。
レスルゲンスに比べると茎が細く、葉も短いので全体的に繊細な印象を受ける品種です。
花はマツバギクのような花弁がたくさんある形状をしています。
個人的な見解として、フィロボルスも地方によって固有種が存在しており、地名が入っていることから固有種ではないかと思われます。
自生地
サザーランドとなっておりますので、南アフリカのサザーランド地方の種でないかと思われます。
砂礫やレンガの残骸などに埋もれて自生しているようです。
南アフリカ・カルビニアの気候
自生地の気候の資料を得られなかったので、近郊都市の気候として調査しました。
概要
・夏は暑く、乾燥状態、冬は寒く、風が強く、年間を通じてほぼ晴れ
・1年を通して、気温は4℃~31℃の幅がある
・-1℃未満または36℃を超えることは滅多にない
気温
温かい季節
・12月~3月までの約3.6ヶ月続く
・1日平均の最高気温は28℃を超える
・1年の最も暑い月は1月
・平均最高気温は31℃
・最低気温は15℃
涼しい季節
・5月24日~8月30日までの約の約3.2ヶ月続く
・1日当たりの平均最高気温は19℃未満
・1年で最も寒い月は7月
・平均最低気温は4℃
・最高気温は16℃
雲
晴れの季節
・11月~3月までの約4.4ヶ月続く
・1年のうち最も晴れた月は2月
・天候は90%の割合で快晴、晴、または一部曇り
・10%の割合で本曇りまたはほぼ曇り
曇りの季節
・1年のうちより曇天が多い季節は3月頃~11月頃の約7.6ヶ月続く
・1年のうち最も曇った月は5月
・天候は38%の割合で本曇りまたはほぼ曇り
・62%の割合で快晴、晴または一部曇り
降雨
雨季
・2月~12月までの約の9.3ヶ月続く
・降雨量は少なくとも13mm
・最も多い降雨量は6月を中心とする31日間
・平均合計累積降雨量は39mm
乾燥期
・12月~2月までの約2.8ヶ月
・最も降雨量が少ないのは1月を中心とする期間
・平均合計累積降雨量は7mm
湿度
・年間を通してあまり変化せず、実質的に0%で一定
参考資料:ja.weatherspark.com
育て方
温度耐性
耐寒性
現生地での寒い季節は最低平均気温4℃となっておりますので、耐寒性はある方と思われますが、氷点下にならない環境であれば安全な温度管理方法といえるでしょう。
昼夜の温度差があると成長が良好のようです。
耐暑性
現地での最高平均温度は31℃とそこまで高くはありません。
日本での30℃を超えるような高温季節は苦手と思われます。
夏場など気温の上がる季節では、なるべく涼しい場所へ移動した方が良いでしょう。
日照
むき出しの状態に自生している事から、直射日光を好むと思われます。
日照度合いにより開花に影響を及ぼします。
ただし、高温環境となる場合は直射日光を避けたほうが良いでしょう。
水やり
現生地では最も降雨量のある月でも平均合計累積降雨量は39mmと少量です。
最も降雨量の少ない時期で7mmとなっています。(比較対象として東京では多い月で9月を中心とする31日間、平均合計累積降雨量は192mm)
一番降雨のある季節でも降雨量が極端に少ない為、乾燥にはとても強く、基本的には乾燥気味に育てたほうが良いでしょう。
成長期
最も降水量の高まる6月の最高平均気温は約17℃、最低平均気温は約5℃と涼しい季節となっています。
よって日本では秋や春のような涼しい季節が成長期となります。
日本での涼しい季節は秋頃か春頃となりますので、その時期は土が乾いたらたっぷりと水やりをしてください。
葉を展開させていた場合は、水不足により葉垂れ現象が起きますので見た目を気にするなら定期的な水やりが必要になるでしょう。
休眠期(落葉期)
気温の高い季節では断水を行う事で防衛反応として落葉をすると思われます。
自生地の環境により水切れ耐性があるので、水やりを行わなくても枯れることは無いです。
気温の低い時期になると葉を展開させます。
自生地での最も降水量の少ない月の最高平均気温は約30℃、最低平均気温は約14℃となっています。
30℃を超えるような時期では水やりを極端に減らしてください。
高温時に水やりを頻繁に行うと蒸れてしまう恐れがあります。
葉の展開がみられるまでは断水を行って下さい。
湿度(しつど)
現生地では年間湿度がほぼ一定で0%となっているので、乾燥を好み、湿度を嫌うでしょう。
蒸し暑いような季節が苦手であると思いますので、日本の夏は育て方に注意が必要です。
夏場はエアコンの効いた室内などへ移動するのも方法です。
土壌
自生地では砂礫や砂利のような場所に生えているので、水はけの良く、サボテンが好むような乾燥しやすい土質を好むでしょう。
成長日記
2021
8/4 成長日記開始
枝が細く、葉も短く全体的にコンパクトな印象のフィロボルスです。
夏の暑い時期ですが、エアコンの効いた部屋で管理してからか葉があります。
基本的には乾燥に強い植物であると考えておりましたが、春先では頻繁に水切れが発生し、葉がよくうなだれていました。
乾燥には強いようですが、成長期には水が必要なようです。
枯れた葉が残ったまま、新しい葉が展開してしまったので、メンテナンスが大変になってしまいました。
こうなる前にメンテナンスをした方が良いですね。
花もマツバギクのような形状だとは思いましたが、葉も似ております。
同じハマミズナ科のようですので、親戚のような関係です。
8/30 成長に勢いがつく
葉がかなり茂って来ました。
枯れた葉は細か過ぎて、結局取らずに育てました。
メンテナンスする事で葉を傷めてしまうかもしれないからです。
時間が経つと、枯れ葉が目立たないくらい葉が茂るようです。
個人的には結構、カッコイイ品種だなと思いました。
涼しくなったら、屋外で管理するのも良いかもしれません。
9/14 特に変化なし
変化はあまりみられません。
水切れ気味により、全体的に葉が下を向いています。
2022
1/12 茂りが増す
2022
4/25 植え替え
久しぶりの撮影になりますが、調子もよくなったので、植え替えを行いました。
オシャレな陶器鉢に植えることで雰囲気もだいぶ良くなりました。
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